脳卒中
Online ISSN : 1883-1923
Print ISSN : 0912-0726
ISSN-L : 0912-0726
原著
血清アディポネクチン濃度の脳卒中病型による差異
永沢 光横田 千晶峰松 一夫
著者情報
ジャーナル フリー

2008 年 30 巻 1 号 p. 33-37

詳細
抄録
目的:脳卒中の臨床病型別にアディポネクチン(ADPN)濃度を比較検討する.方法:ADPNと脳卒中病型との関連を173症例で検討した.結果:ADPN濃度はアテローム血栓性脳梗塞(ABI)8.5±4.2,ラクナ梗塞(LI)7.8±3.4,心原性脳塞栓(CES)13.2±9.5,その他の脳梗塞(OTI)11.4±71,脳出血12.6±8.1 μg/mlであった(p=0.04).脳梗塞群と脳出血群ではADPN濃度に明らかな違いは認めなかった.脳梗塞例のうち血栓性脳梗塞群(ABI, LI)と非血栓性脳梗塞群(CES, OTI)では,前者で有意に低値であった(8.3±4.1 vs. 12.2±8.4 μg/ml;p=0.01).結論:低ADPN血症は,脳動脈硬化病変を起因とする血栓性脳梗塞と関連した.
著者関連情報
© 2008 日本脳卒中学会
前の記事 次の記事
feedback
Top