抄録
t-PA静注療法前のDWI所見により,転帰不良例が予測できるか否かを検討した.t-PA投与前に,DWIの虚血巣をDWI-ASPECTSを用い評価した.NIHSSをt-PA投与前と7日目に評価し,7日目のNIHSSが20以上を転帰不良と定義した.対象はt-PA投与した49例(男性27例,平均72.9歳)が登録された.投与前NIHSS scoreは中央値14, DWI-ASPECTSが中央値9であった.結果は,DWI-ASPECTSが5以下では転帰不良例が6/8例(75%)であったが,6以上では転帰不良例は2/41例(2%)であった(P<0.0001).以上より,t-PA静注療法前のDWI-ASPECTS所見を用いることにより予後不良例を予測できる.