抄録
【背景および目的】脳卒中ユニットにおける看護師を中心とした摂食嚥下機能療法の効果を検証する.【方法】96名の脳卒中患者(平均年齢69.9歳)に対して看護師が摂食嚥下障害のスクリーニングを行い,多職種連携のもとに摂食嚥下機能療法を施行した.誤嚥のリスクの有無によって群分けを行い,年齢,在院日数,重症度(NIHSS),および入退院時における食事形態の変化を比較した.【結果】33名(34.3%)が誤嚥リスク群と判断され,介入を行った.誤嚥リスク群は入院時における重症度が高く(p<0.05),平均在院日数も8.9日長期化していた(p<0.01).33名中27名(81.8%)が食事内容の改善を認め,肺炎を合併した症例は1名であった.【結論】脳卒中ユニットにおける摂食嚥下機能療法は肺炎の合併率を軽減し,経口摂取を確立するために有効である.多職種連携の要として,看護師の果たすべき役割は大きい.