脳卒中
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原著
病院完結型脳卒中治療による急性脳梗塞の転帰
村田 高穂寺川 雄三岡田 由実子山本 直樹下竹 克美富永 孝紀鶴野 卓史
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2010 年 32 巻 4 号 p. 346-350

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抄録
当研究の目的は,急性脳梗塞の転帰を検討し,同一施設内で急性期から回復期リハビリテーション(以下リハ)を行う病院完結型施設での脳卒中治療の成果と問題点を検証することである.対象は,最近3年間の連続した急性脳梗塞入院患者456例で,ラクナ梗塞170例,アテローム血栓性梗塞151例,心原性脳塞栓症116例,その他梗塞19例に病型分類した.転帰は退院時modified Rankin Scale (mRS)と在宅復帰率により評価した.急性脳梗塞の病型別転帰は,ラクナ梗塞,アテローム血栓性梗塞,心原性脳塞栓症の3病型間で,mRS0–2率(転帰良好群),mortalityおよび在宅復帰率の全てにおいて有意差を認め,入院時病型診断は転帰予測上重要であった.入院時重症度評価としてのNIH Stroke Scale (NIHSS)は,mRS0–2率および在宅復帰率における有意差を認め,退院時転帰予測に有用であった.急性期治療終了時Functional Independence Measure (FIM) score 90以上例の98.6%が在宅復帰し,FIM score 89以下例の在宅復帰例では回復期リハFIM獲得(FIM gain)値が有意に高かったことから,FIMとFIM gain値は,回復期リハ適応判定および在宅復帰を含めた転帰の指標となった.回復期リハ実施群132例の在宅復帰率は76.5%で,非実施群と比較してmRS3および4例の在宅復帰率が有意に高く,回復期リハは在宅復帰率の向上に役立っていた.急性脳梗塞に対する病院完結型施設での脳卒中治療は,急性期転帰予測,急性期終了時治療評価と回復期リハ適応判定基準および在宅復帰を含めた転帰につき一定の基準で検討することで,急性期から回復期に至る継ぎ目のないリハを含めた計画的な治療が可能となり,在宅復帰率の向上を含め良好な転帰を期待できる.
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© 2010 日本脳卒中学会
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