抄録
症例は25歳女性.突然の頭痛と左半身脱力にて発症.搬入時は頭痛のみが残存していた.頭部MRI拡散強調画像にて右外障の微小高信号域,頭部MRAにて右内頸動脈床上部の狭窄をみとめた.頭蓋内内頸動脈解離による脳梗塞を疑い内科的治療を開始した.しかし,入院後も脳梗塞の再発を繰り返しながら,画像上は解離部に瘤形成をきたしたため,治療方針決定の判断に苦慮した.解離部の経時的な画像評価に基づいて抗血栓療法を変更したところ,脳梗塞の再発はなく,瘤も消失し,第47病日に後遺症なく退院した.本例の経過は,脳動脈解離の虚血発症例の治療に関して示唆に富み,文献的考察を加え報告する.