脳卒中
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原著
3D超音波検査法を用いたシロスタゾールによる頸動脈プラーク退縮効果および脂質代謝の検討
大浦 一雅大庭 英樹森 潔史名取 達徳水野 昌宣金 正門石橋 靖宏寺山 靖夫
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2011 年 33 巻 1 号 p. 106-113

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抄録

【目的】頸動脈プラークに対する抗血小板薬の適応とその効果に関する報告はさまざまで確立されたものがない.今回われわれは,頸動脈病変を有する症例に対して,血管内皮機能改善作用を持つ抗血小板薬(シロスタゾール)を投与し,プラークの体積および形態の変化を三次元(3D)超音波検査法により経時的に測定し,その治療効果を脂質代謝の面から検討した.【対象】頸動脈プラークを有し,過去6カ月以上内服薬の変更のない脳梗塞患者21症例(男性16例,女性5例,年齢67±7歳).【方法】シロスタゾール200 mg/日を経口投与し,治療前および治療3カ月後に3D頸動脈超音波検査を施行して,プラーク体積とその形態学的な変化を観察した.同時にシロスタゾール投与前後の血液生化学データの比較検討を行った.頸動脈超音波検査は,3D超音波測定装置:VOLUSON 730 EXPERT,3D4D probe(GE Healthcare)を用いた.【結果】シロスタゾール投与3カ月後にプラークの体積は0.44±0.39 cm3から0.39±0.40 cm3に退縮傾向を認めた(p=0.005).このうち,シロスタゾール投与3カ月後にプラーク体積が退縮(15例)または不変(4例)であった19例について検討すると,血清HDL-C値は59±22 mg/dlから65±23 mg/dlに上昇傾向を認めた(p=0.017).【結論】シロスタゾール投与により,頸動脈プラークの体積は退縮した.これはシロスタゾールの持つ血管内皮機能改善作用に加え,脂質代謝改善作用が関与していることが考えられた.

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© 2011 日本脳卒中学会
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