脳卒中
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症例報告
膵体部腫瘍切除の待機中にみられたTrousseau症候群の1例
菊井 祥二澤 信宏西脇 知永
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2011 年 33 巻 1 号 p. 119-122

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抄録

症例は80歳,男性.糖尿病のコントロールが突然不良になったことが契機になり,膵体部腫瘍が発見され,切除可能と判断され,手術を予定された.術前に構音障害と右不全片麻痺をきたし,頭部MRIで左橋梗塞と診断し,悪性腫瘍に合併したTrousseau症候群の可能性を念頭に置き,第1選択薬であるヘパリンを持続投与することで症状が改善し,脳梗塞が再発することなく,手術を施行することができた.担癌患者では積極的にTrousseau症候群を考えて,ヘパリンによる抗凝固療法を行い,手術日まで管理することが重要であると考えられた.

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© 2011 日本脳卒中学会
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