抄録
破裂脳動脈瘤が,初回脳血管撮影で同定できない率は7~10%,2回目の血管撮影で 2~22%に出血源が同定されるといわれている.今回,脳底動脈先端部破裂動脈瘤で,同様の経験をしたので報告する.症例は65歳女性.突然の頭痛・嘔吐をきたし,当院へ救急搬送された.来院時JCSII-10,GCS E3V5M6.瞳孔不同なく,迅速な対光反射を認めた.その他局所神経症状を認めなかった(WFNS Grade II, H&K G3).頭部CTでびまん性のSAH(Fisher group 3)を認め,脳血管撮影を行ったが動脈瘤を同定できなかった.2回目の脳血管撮影で,脳底動脈先端部に2 mmの嚢状動脈瘤を認め,動脈瘤頸部クリッピングを行った.破裂脳動脈瘤を脳血管撮影で同定できない原因には,瘤の血栓化,動脈瘤のサイズ,スパズムの影響などが考えられている.分解能の向上した3D-CTA・MRIの併用や,3D脳血管撮影の導入でこのような症例は減少していくことが予想されるが,現時点では,スパズム期を過ぎた時点での脳血管撮影の再検査が必要と考えられた.