脳卒中
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原著
可逆性脳血管攣縮症候群(RCVS)6例の臨床的検討
宮腰 淑子五十嵐 修一永尾 侑平井上 重宏佐藤 朋江関谷 可奈子新保 淳輔佐治 越爾森田 健一佐々木 修岡本 浩一郎佐藤 晶山崎 元義
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2012 年 34 巻 1 号 p. 8-15

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抄録

【背景および目的】可逆性脳血管攣縮症候群(reversible cerebral vasoconstriction syndrome; RCVS)は,雷鳴頭痛を主徴とし,脳血管に可逆性の分節状攣縮を認める疾患である.本疾患の臨床経過と画像所見の経過の検討を目的とした.【方法】2004年6月から2010年12月までに当科にRCVSの診断で加療を行った6例について検討した.【結果】発症年齢は39-53歳(平均44歳)で,女性が4例,男性が2例であった.全例に雷鳴様頭痛を認めた.3例が脳卒中を発症し,全例が女性であった.脳出血が1例,くも膜下出血と脳出血との合併例が2例であった.ベラパミルが5例に投与され,症状改善がみられたが,1例に片麻痺の後遺症を残した.【結論】突然の激しい頭痛を訴える患者を診察する際には,RCVSを鑑別に含める必要がある.

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© 2012 日本脳卒中学会
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