脳卒中
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原著
回復期リハビリテーション期における脳卒中再発症例の検討―当院での連続1,301 症例について
萩原 のり子横山 信彦井林 雪郎
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2013 年 35 巻 6 号 p. 411-417

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抄録
要旨:【目的】脳卒中回復期における再発例の患者背景と治療方針の実態を調査し,その特徴を検証した.【方法】2008 年から2012 年に当院回復期リハビリテーション病棟に入院した脳卒中患者連続1,301 例のうち,入院中に再発を来し急性期病院へ転院した16 例を対象とし,再発時の臨床背景や抗血栓療法の状況を後方視的に検討した.【結果】16 例の原疾患は脳梗塞12 例,脳出血4 例で,初発病型別の再発率は心原性脳塞栓症が最も高率であった.再発時の病型は脳梗塞8 例,一過性脳虚血発作2 例,脳出血6 例で,初発から再発までの平均期間は108.8 日であった.抗血栓薬併用例での脳出血による再発はなく,入院30 日以内の早期再発は何れも虚血症状であった.【結論】急性期を過ぎた脳卒中患者では,ADL やリスクに応じてその後の治療方針を再検討する必要があり,個々の病状を勘案した再発予防策の決定は回復期診療を担う医師の重要な役割である.
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© 2013 日本脳卒中学会
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