2013 年 35 巻 6 号 p. 406-410
要旨:【目的】当院での症候性もやもや病症例の初発例と再発例を比較検討した.【方法】初回発症例37 例と2 回目以降の再発症例12 例の合計49 例を対象にした.【結果】初発例群の年齢は平均33.8 歳で,発症病型は虚血型27 例,出血型10 例であった.初発例群では若年者は虚血型が多く,年齢上昇とともに出血型発症が増えた.3 カ月後のmRS は平均1.57 で,出血型発症例は予後不良であった.再発例群の年齢は平均52.9 歳で初発例群より高く,発症病型は出血型が大半で,3 カ月後のmRS は平均4.16 と高く,初発例群に比べ有意に予後不良であった.再発例群のなかでも出血型は虚血型に比べ,転帰不良であった.虚血型発症例では血行再建術を行ったものは,行わなかったものより有意に再発率が低かった.【結論】もやもや病の再発時は初発時に比べ予後不良であり,虚血型発症例では初発時の血行再建の有用性が示唆された.