脳卒中
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総説
急性期脳卒中における病院前救急システムの現状
横田 裕行高木 誠有賀 徹青木 則明
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2014 年 36 巻 3 号 p. 201-205

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抄録

要旨:東京都は脳卒中医療連携協議会を組織して,都民への啓発活動や脳卒中急性期医療体制の構築を行ってきた.2010 年と2012 年2 月の1 週間に救急搬送された患者の中から脳卒中急性期患者を抽出し,発症から救急車要請までの時間,救急隊員の判断等を検証した.その結果,発症から救急車要請までの時間は2010 年が平均42 分で,2012 年には23 分と短縮された.一方,救急隊員が脳卒中を脳卒中と判断できる割合(感度)は2010 年82.4%,2012 年70.8%,脳卒中ではないものを脳卒中ではないと判断する割合(特異度)はそれぞれ97.9%,98.4%であった.一方,救急隊員が脳卒中ではないと判断したにもかかわらず,医療機関で脳卒中と診断されたのは2010 年64 例,2012 年100 例と増加していた.また医師や看護師が救急患者に対しての診断や重症度評価に使用するJTAS や ISLS についての解説も行った.

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© 2014 日本脳卒中学会
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