脳卒中
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短報
内包後脚に再発を繰り返した低血糖性片麻痺の1 例
窪田 瞬平田 順一小島 麻里國井 美紗子冨田 敦子釘本 千春土井 宏上田 直久田中 章景
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2014 年 36 巻 5 号 p. 370-373

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抄録

要旨:症例は79 歳男性.糖尿病で内服加療を行っていたが,突然発症の右不全片麻痺を来し当院に救急搬送された.頭部MRI 拡散強調画像で左内包後脚に高信号を認めた.血糖が30 mg/dl と著明に低下しており50%グルコースを静注したところ症状は速やかに消失し,片麻痺の原因は低血糖によるものと考えられた.患者は過去にも低血糖による内包後脚のMRI 異常信号を呈し,右不全片麻痺を発症していた.低血糖発作による脳卒中様の片麻痺は過去にも報告がみられるが,同一部位に繰り返しMRI 異常信号を認めた例はこれまでにない.内包後脚が低血糖への脆弱性が高い脳組織の一つであることが示された.

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© 2014 日本脳卒中学会
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