抄録
要旨:【目的】心原性脳塞栓症(CE)の主因である心房細動(AF)を,一般外来で積極的に発見する取り組みを行った.【方法】不規則脈波(irregular heart beat; IHB)検出機能付き自動血圧計(IHB 検出血圧計)を,外来患者の脈不整スクリーニングに使用した.2011 年12 月から2 年間を調査期間とし,脈不整検出患者に対して心電図検査を行った.【結果】AF 新規診断またはAF 再確認により新規に抗凝固療法が検討・導入された患者は56 人であった.外来患者の約0.2%にあたる.再来患者に多くAFが見逃されていたことが判明した.IHB 検出血圧計でも,25.7%でAF の脈不整を検知できなかった.【結論】一般外来において無症候性AF を発見し,抗凝固療法を開始できた.しかし,IHB 検出血圧計のみでは見逃しの可能性があるため,AF 検知精度の高い機器開発も今後必要である.