2015 年 37 巻 1 号 p. 41-46
要旨:症例1 は71 歳男性.慢性心房細動に対しリバーロキサバン15 mg を内服中に左視床出血を発症した.降圧療法を行い,出血の増加はみられなかった.症例2 は76 歳男性.慢性心房細動に対しリバーロキサバン15 mg を内服中に,脳室穿破を伴う右尾状核出血を発症した.脳室ドレナージ術,内視鏡による血腫除去術を行ったが,血腫の増大があり第3 病日に死亡した.症例3 は80 歳男性.深部静脈血栓症に対しリバーロキサバン10 mg を内服中に,脳室穿破を伴う右視床出血を発症した.脳室ドレナージ術を施行したが,血腫の増大があり,第2 病日に死亡した.リバーロキサバンは第Xa 因子阻害薬であり,非弁膜症性心房細動による塞栓症予防に有効である.しかし,出血性合併症のリスクはある.特に,脳内出血を発症した場合は致死的になることもあり,注意を要する.