脳卒中
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症例報告
後頭部痛のみを呈し,積極的降圧療法で良好な転帰を得た椎骨動脈解離の2 例
外山 祐一郎矢坂 正弘桑城 貴弘湧川 佳幸齊藤 正樹下濱 俊岡田 靖
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2015 年 37 巻 6 号 p. 428-433

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抄録
要旨:症例1 は63 歳男性.頸部回旋時より右後頭部痛を自覚した.右椎骨動脈に6 mm の拡張を認め,右椎骨動脈解離と診断した.出血や脳梗塞の所見なく,降圧療法を開始(150/90 から100/60 mmHg)した.後頭部痛は改善し第17 病日に消失し,第26 病日に退院した.症例2 は39 歳男性.起床時に正中後頭部痛を自覚した.第12 病日に当科受診.右椎骨動脈に9 mm の瘤形成を認め,降圧を行い(血圧120/60 から110/60 mmHg),後頭部痛は改善し第17 病日に消失し第23 病日に退院した.2~3 カ月後のMR 検査にて解離病変は症例1,2 ともに改善した.椎骨動脈解離急性期の降圧療法は頭痛や血行動態の改善に有効と考えられる.
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© 2015 日本脳卒中学会
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