脳卒中
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原著
脳卒中再発入院に対する脳卒中予防連携の影響:診断群分類包括評価データを用いた後方視的多施設共同研究
今井 昇金 剛吉井 仁
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2016 年 38 巻 3 号 p. 149-154

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抄録

【背景・目的】静岡イーツーネット脳卒中医療連携システムの予防連携の有効性を検討するため,診断群分類包括評価データを基に脳卒中の再発入院に影響する因子を多施設で検討した.【方法】対象は5.5 年間に当医療連携システムに参加している3 つの急性期総合病院に入院し生存退院した急性期脳卒中患者5254 例.性別,年齢,救急搬送の有無,病型,在院日数,転帰,退院先,連携登録の有無と再発入院の関係を検討した.【結果】単変量解析では再入院患者は非再入院患者に比べ有意に救急搬送率と連携登録率が低く,自宅退院率と虚血性脳卒中率が高かった.各項目を多重解析で補正したハザード比は,自宅退院率:1.41(1.02–1.94),虚血性脳卒中率:1.61(1.11–2.33),連携登録率0.65(0.45–0.93)であった.【結論】脳卒中予防連携登録は脳卒中再入院予防に寄与する独立した因子である可能性が示唆された.

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© 2016 日本脳卒中学会
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