脳卒中
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総説
CKD と無症候性脳血管障害およびCKD 患者の認知機能障害
藥師寺 祐介溝口 恵井手 俊宏原 英夫
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2016 年 38 巻 5 号 p. 358-362

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抄録

【背景・目的】維持透析患者の神経症候,画像異常の存在はかねてより知られていた.近年,殊に2000 年以降,脳卒中を含む心血管系イベントの予防的観点から,慢性腎臓病(chronic kidney disease: CKD)の概念が注目され,おのずとCKD と脳の機能的・画像的の異常に関する知見が蓄積されてきた.CKD に関連する無症候性脳血管障害としては,脳小血管病(cerebral small vessel disease: SVD)を基盤として生じてくるラクナ病変,白質病変,微小脳出血,脳萎縮が挙げられる.一方,脳の機能的異常として生じうる代表的症候群としては認知機能障害,うつ病が挙げられる.本稿では「CKD と脳小血管病」と「CKD と認知機能障害」に焦点を絞ったレビューを通じて,各々の関連についての最新のコンセンサスを紹介する.

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© 2015 日本脳卒中学会
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