脳卒中
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原著
院内発症急性期脳卒中の現状と課題
三橋 立北村 高之井関 征祐関口 和哉石元 玲央阪本 浩一朗児玉 琢磨町田 裕徳川 城治菱井 誠人
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2017 年 39 巻 5 号 p. 333-338

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抄録

【目的】血栓溶解療法・回収療法が導入された院内脳卒中の実情について検討.【方法】対象は2013 年1 月から2016 年5 月まで,当院全診療科で入院加療を行った39,877 人から院内脳卒中を発症した連続24 症例.入院診療録から性別,年齢,入院原因疾患,担当診療科,脳卒中の臨床病型など検討.【結果】脳卒中臨床病型は脳梗塞が18 人と最多,そのほか脳出血4 人,くも膜下出血2人.脳梗塞の内訳は心原性脳塞栓症8 人,アテローム血栓性脳梗塞2 人,ラクナ梗塞2 人,医原性5人,その他の脳梗塞1 人.入院時modified Rankin Scale(mRS)中央値1.5 が,退院時mRS 中央値4 と低下.【結論】予定入院患者よりも緊急入院患者に院内脳卒中発症が多く,医原性脳梗塞が少なくなかったことが,この検討での特徴であった.周術期脳梗塞例に対しての血栓溶解療法は適応外のため,血栓回収療法の適応について積極的に検討する必要があると考えられた.

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© 2017 日本脳卒中学会
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