脳卒中
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総説
抗てんかん薬による血清脂質値の変化:脳梗塞患者での検討
池田 憲
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2017 年 39 巻 5 号 p. 400-404

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抄録

【目的】脳梗塞後てんかん患者でAED 単独療法による血清脂質値の変化を検討し,既報告を概説した.【方法】急性期脳梗塞患者でvalproate(VA),carbamazepine(CBZ),phenytoin(PHT), zonisamide(ZNS),levetiracetam(LEV),lamotrigine(LTG)を単剤で開始した133 名とした.血清脂質値はAED 服用前と3 カ月後で比較した.【結果】AED はLEV 29 名,LTG 12 名,VA 41 名,CBZ 23名,PHT 18 名,ZNS 10 名であった.3 カ月後のTC とLDL-C の平均増加率はCBZ 8.8%と9.1%,PHT 9.0%と9.3%で有意に増加していた(P<0.01).【結語】CYP 誘導性AED であるCBZ やPHT の服用者では脳梗塞再発予防のために非酵素誘導性AED への変更を考慮する必要がある.

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© 2017 日本脳卒中学会
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