脳卒中
Online ISSN : 1883-1923
Print ISSN : 0912-0726
ISSN-L : 0912-0726
原著
非心原性脳梗塞患者における左室拡張障害に関する検討
芝崎 謙作涌谷 陽介髙尾 芳樹
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 41 巻 3 号 p. 153-158

詳細
抄録

要旨:非心原性脳梗塞患者における左室拡張障害の頻度および中等度以上の拡張障害の関連因子を検討した.対象は2015 年9 月~2017 年6 月に入院した発症7 日以内の非心原性脳梗塞患者100 例で,経胸壁心臓超音波検査で拡張機能を評価し,正常,弛緩障害(軽度),偽正常化(中等度),拘束型(高度)に分類した.左室拡張障害は70 例に認め,中等度以上は10 例であった.BNP 値は,中等度以上の左室拡張障害を有する群で有意に高かった(中央値26.9 vs. 96.8 pg/ml,p=0.0009).多変量解析の結果,BNP>80 pg/ml が,中等度以上の左室拡張障害の独立した関連因子であった(OR 8.12,95% CI 1.162–56.67,p=0.035).非心原性脳梗塞患者は左室拡張障害を高率に合併し,BNP>80 pg/mlは中等度以上の拡張障害の存在を考慮する必要がある.

著者関連情報
© 2019 日本脳卒中学会
次の記事
feedback
Top