脳卒中
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41 巻 , 3 号
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原著
  • 芝崎 謙作, 涌谷 陽介, 髙尾 芳樹
    2019 年 41 巻 3 号 p. 153-158
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/05/24
    [早期公開] 公開日: 2018/12/27
    ジャーナル フリー

    要旨:非心原性脳梗塞患者における左室拡張障害の頻度および中等度以上の拡張障害の関連因子を検討した.対象は2015 年9 月~2017 年6 月に入院した発症7 日以内の非心原性脳梗塞患者100 例で,経胸壁心臓超音波検査で拡張機能を評価し,正常,弛緩障害(軽度),偽正常化(中等度),拘束型(高度)に分類した.左室拡張障害は70 例に認め,中等度以上は10 例であった.BNP 値は,中等度以上の左室拡張障害を有する群で有意に高かった(中央値26.9 vs. 96.8 pg/ml,p=0.0009).多変量解析の結果,BNP>80 pg/ml が,中等度以上の左室拡張障害の独立した関連因子であった(OR 8.12,95% CI 1.162–56.67,p=0.035).非心原性脳梗塞患者は左室拡張障害を高率に合併し,BNP>80 pg/mlは中等度以上の拡張障害の存在を考慮する必要がある.

  • 土井尻 遼介, 木村 尚人, 山口 枝里子, 高橋 賢, 横沢 路子, 遠藤 秀晃, 高橋 弘明, 菅原 孝行, 菊池 貴彦
    2019 年 41 巻 3 号 p. 159-163
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/05/24
    [早期公開] 公開日: 2018/12/30
    ジャーナル フリー

    要旨:【目的】潜因性脳梗塞(cryptogenic stroke: CS)と診断され植込み型心電図記録計(insertable cardiac monitoring system: ICM)を施行した初期使用成績を報告する.【方法】CS と診断され ICM を挿入した15 例を対象とした.CS の診断には全例経食道心エコーを行い,ICM の挿入,結果の解析は全例神 経内科医が行った.【結果】年齢の中央値 68(60–76)歳,男性 10 例(66%),脳梗塞発症から ICM 挿入 までの期間の中央値 18(12–29)日であった.挿入から 1 年以内に 6 例(40%)に発作性心房細動(paroxysmal atrial fibrillation: PAF)が検出され,挿入から PAF が検出されるまでの中央値は 22(7–108)日で あった.【結語】CS 例での ICM による PAF の検出率は 1 年以内で 4 割程度と過去の報告より高率で あった.

  • 山﨑 浩司, 大田 元, 山下 真治, 入佐 剛, 内之倉 俊朗, 竹島 秀雄
    2019 年 41 巻 3 号 p. 164-170
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/05/24
    [早期公開] 公開日: 2018/12/30
    ジャーナル フリー

    要旨:【目的】ステントリトリーバー導入後の当院での急性期血行再建術の治療成績を後方視的に 検討し,特に非再開通症例に焦点を当て,その原因を考察した.【方法】急性期脳梗塞に対し血行再 建術を施行した 55 症例を対象に治療成績を報告し,再開通群と非再開通群とに分け比較検討した. 【結果】全 55 例中 48 例(87%)に有効な再開通が得られ,非再開通例は 7 例(ICA 閉塞 5 例,MCA 閉 塞 2 例)であった.ICA 閉塞例では併用デバイスを要することが多く治療が複雑化,長時間化してい た.MCA 閉塞例では高度屈曲部でのステントリトリーバーの展開不良が確認された.【結語】治療成 績は向上しているが,非再開通例も存在する.ICA 閉塞例では治療の複雑化,長時間化が,MCA 閉 塞例では屈曲部でのステントリトリーバー展開不良が再開通困難の原因と思われた.

  • 栗城 綾子, 山上 宏, 斎藤 こずえ, 殿村 修一, 福間 一樹, 吉本 武史, 阿部 宗一郎, 東 将浩, 高橋 淳, 豊田 一則, 長 ...
    2019 年 41 巻 3 号 p. 171-176
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/05/24
    [早期公開] 公開日: 2019/01/12
    ジャーナル フリー

    要旨:【目的】頸動脈超音波(US)を用いた内頸動脈狭窄診断の際,石灰化病変が収縮期最高血流速度(PSV)に及ぼす影響を検討した.【方法】対象はCT angiography(CTA)とUS を行った247 血管.石灰化が血管周の50%以上を石灰化群,50%未満を対照群とし,CTA のNASCET 狭窄率と病変部PSV を比較した.【結果】石灰化群81,対照群166 血管であった.狭窄率とPSV は石灰化群(r=0.81),対照群(r=0.87)共に強い相関があった.PSV 200 cm/sec 以上が狭窄率70%以上を検出する感度/特異度は,石灰化群90%/75%,対照群100%/90%であった.石灰化群では偽陰性例が2 例,疑陽性例が15 例あり感度/特異度に影響した.【結論】石灰化を伴う頸動脈狭窄病変では,音響陰影のため最狭窄部でPSV を測定できない場合や狭窄率に比してPSV が速い場合があり,診断精度に影響する.

症例報告
  • 森 達也, 荒井 篤, 田中 一寛, 今堀 太一郎, 塩見 亮司, 藤原 大悟, 甲田 将章, 甲村 英二
    2019 年 41 巻 3 号 p. 177-181
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/05/24
    [早期公開] 公開日: 2018/12/30
    ジャーナル フリー

    要旨:56 歳,女性.高血圧の指摘あり.突然の頭痛(後頸部痛)と左片麻痺を来し搬入された.頭 部 CT で右前頭葉円蓋部にくも膜下出血を認め,頭部 MRI にて右前大脳動脈領域の新鮮梗塞,およ び,右前大脳動脈末梢(A2)と左後大脳動脈末梢(P3)に分節状の狭窄所見を認めた.続けて脳血管撮 影を行ったが,明らかな出血源は同定されなかった.血液・髄液検査でも血管炎等を疑う所見は認 めなかった.カルシウム拮抗薬と抗血小板薬(シロスタゾール)による保存的加療にて,脳血管狭窄 は増悪と寛解を繰り返しながら改善し,脳梗塞やくも膜下出血は悪化なく,可逆性脳血管攣縮症候 群と診断した.発症 4 週目に左片麻痺は軽快し,独歩で自宅退院となった.突然の頭痛の発症早期 にくも膜下出血および脳梗塞を同時に認めた可逆性脳血管攣縮症候群の稀な 1 例と考えられた.

  • 松本 直樹, 佐藤 正之, 宮村 正典, 松本 勝久, 前島 伸一郎
    2019 年 41 巻 3 号 p. 182-185
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/05/24
    [早期公開] 公開日: 2018/12/30
    ジャーナル フリー

    要旨:右尾状核梗塞により地理的定位錯誤を呈した 66 歳右利き女性例を報告した.本例は,日中は 自らの場所を病院と正しく認識していたが,夜から早朝にかけてのみ,「病室と全く同じように改築 された自宅にいる」と主張した.翌日にもその内容を覚えており,同様に訴えた.この誤認は,せん 妄や視知覚障害のみで説明することは困難であり,地理的定位錯誤を疑った.その発現機序は,右 尾状核損傷により前頭葉および辺縁系の障害による可能性が推察された.

  • 二村 元, 小畑 仁司, 荻田 誠司, 松下 葉子, 山本 浩正
    2019 年 41 巻 3 号 p. 186-191
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/05/24
    [早期公開] 公開日: 2018/12/30
    ジャーナル フリー

    要旨:症例 1:63 歳男性,JCS 10,左被殻出血,脳室内穿破の診断で緊急入院となり,保存的加 療を開始した.第 3 病日突然の意識障害増悪(JCS 10 → 200)を来し,頭部 CT で中脳水道への血腫嵌 頓,閉塞性水頭症を認めたため,脳室ドレナージ術を施行した.症例 2:62 歳男性,JCS 200,左視 床出血,脳室内穿破,急性水頭症の診断で緊急入院となり,同日脳室ドレナージ術を施行した.第 4 病日に JCS 3,頭部 CT で脳室内血腫の減少を確認し脳室ドレーンを抜去したが,第 8 病日突然の意 識障害増悪(JCS 3 → 100)を来した.頭部 CT で中脳水道への血腫嵌頓,閉塞性水頭症を認めたた め,再度脳室ドレナージ術を施行した.脳室内出血後の閉塞性水頭症は出血後 24 時間以内に発症し 手術適応となることが多く,48 時間を超えると発症は稀である.第 3 脳室内に血腫が残存する際は 遅発性閉塞性水頭症の可能性を念頭に置くことが重要である.

  • 井上 裕康, 武藤 昌裕, 谷口 葉子, 佐藤 千香子, 北村 太郎, 三浦 敏靖, 山田 健太郎
    2019 年 41 巻 3 号 p. 192-196
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/05/24
    [早期公開] 公開日: 2019/01/12
    ジャーナル フリー

    要旨:Segmental arterial mediolysis (SAM)は動脈の中膜に分節性融解を起こし解離性動脈瘤を生じる.複数の動脈系で同時多発的に発生し,脳動脈でも生じうる.また大型の脳動脈瘤が血栓化し塞栓源となることはあるが,小動脈瘤が血栓化して塞栓源となることは稀である.今回ICA-AchA 分岐部の血栓化小動脈瘤による脳塞栓症に,SAM による腹腔内出血を合併した症例を経験した.80 歳女性,右上下肢の麻痺で発症し,MRI で左ICA-AchA 分岐部に3 mm の小動脈瘤と左AchA 領域の梗塞を認めた.MRI で瘤の血栓化が確認され,左MCA 領域にも小梗塞が出現し,血栓化小動脈瘤からの塞栓症と判断した.入院7 日目に,突然腹腔内出血を起こし,血管造影で左大網動脈からの出血を認めSAM と診断した.小動脈瘤であっても血栓化し塞栓源となった.本例で小動脈瘤が血栓化した機序にSAM が関与していると考えた.

  • 大浦 大輔, 角屋 智香, 横浜 拓実, 新谷 好正, 岩崎 素之
    2019 年 41 巻 3 号 p. 197-202
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/05/24
    [早期公開] 公開日: 2019/01/12
    ジャーナル フリー

    要旨:急性期虚血性脳卒中に対する血栓除去術では再灌流までの時間が重要であり,術前検査は短時間であることが望まれる.一方で大動脈解離に起因した脳神経症状を呈する症例が報告されており,これを鑑別することは安全な治療を行う上で重要である.我々は3Tesla MRI による胸部スクリーニングMRA を含めた短時間脳卒中プロトコールを169 例に試行した中で2 例の急性A 型大動脈解離を検出した.2 症例とも意識障害により大動脈解離に典型的な胸痛および背部の疼痛の訴えはなく,検査前に急性A 型大動脈解離を示唆する症状は認めなかった.従来,3Tesla MRI での胸部大血管高速MRA は局所磁場不均一から撮像が難しかったが,我々が開発した飽和効果を利用した胸部MRA sequence により迅速に大動脈解離が鑑別され,その後の適切な処置につながった2 症例について報告する.

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