2019 年 41 巻 5 号 p. 404-410
要旨:症例は76 歳女性.くも膜下出血を発症し左内頸動脈後交通動脈瘤,前交通動脈瘤,右内頸動脈後交通動脈瘤,右内頸動脈前脈絡叢動脈瘤(2 か所)の計5 か所の頭蓋内動脈瘤が認められた.CT における血腫の部位や動脈瘤のサイズ,形状などから,左内頸動脈後交通動脈瘤もしくは前交通動脈瘤の破裂の可能性が高いと判断し,ネッククリッピングを行った.術中所見において両方の動脈瘤とも破裂の痕跡はなく,翌日,右内頸動脈後交通動脈瘤,右内頸動脈前脈絡叢動脈瘤に対してコイル塞栓術を施行した.その後再破裂はなく,リハビリテーション病院を経てmRS0 にて自宅へ退院となった.本症例のように,高齢者への両側の開頭術がためらわれるような症例において,ネッククリッピングとコイル塞栓術を上手く使いわけることは有用と考えられる.Computational fluid dynamics(CFD)解析の結果も踏まえて,出血源の同定,治療方針について報告する.