2019 年 41 巻 5 号 p. 368-374
要旨:脳卒中の転帰評価を遠隔診療で行うことの妥当性を評価するため,脳卒中患者のNIH Stroke Scale(NIHSS),modified Rankin Scale(mRS),Barthel Index(BI)を遠隔・対面診療で評価し,各スケールの一致度をカッパ係数(κ),スコアの信頼度をCronbach’s alpha 係数で評価した.ベッドサイドにはiPad を設置し,インターネットを介し双方向性高精細テレビ会議システムとの通信を確立した.評価は,2 名の医師が遠隔診療医と対面診療医に分かれ,評価対象患者16 例に対するスコアによって行った.対面・遠隔診療のスコア一致度はすべてのスケールでκ0.7 以上,スコアの信頼度は係数0.7 以上であった.spoke 補助者を置いて行うNIHSS,BI,mRS の遠隔評価は,対面診療と同等の信頼性が得られ,脳卒中患者の長期転帰評価に利用可能である.