2020 年 42 巻 6 号 p. 502-508
要旨:【目的】全国の脳梗塞診療施設で行われている画像診断の現状をアンケート調査で明らかにする.【方法】日本脳卒中学会認定研修教育病院,日本神経学会認定施設,日本脳神経外科学会専門医所属病院を対象に,Web回答によるアンケート調査を行った.【結果】回答率は26%(556/2112)で,507施設が急性期脳卒中診療を行っていた.急性期脳卒中診療施設のうち,CT/MRI 両方を評価していたのが61%と最多であり,来院から画像診断開始までの時間は20分以内が61%であった.血管内治療(EVT)施行施設(322施設)のうち263施設(82%)が発症6時間超でもEVTを施行しており,そのうち発症6時間超のEVT適応判定に脳灌流画像を用いて評価しているのは12%であった.【結論】本邦ではCT,MRI 両方を組み合わせて画像診断を行っている施設が多く,脳灌流画像による診断は十分普及していなかった.