脳卒中
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症例報告
妊娠中期にクモ膜下出血で発症した,後大脳動脈末梢部解離の1例
齋藤 佑樹秋元 治朗橋本 亮幾石 尚美
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2022 年 44 巻 2 号 p. 142-146

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抄録

周産期頭蓋内出血は母体死亡原因の約1割とされるが,報告例は限定的であり,その病態・治療方針など不明な点が多い.症例は特記すべき既往歴,家族歴のない30歳代女性.第2子妊娠5カ月であり,突然の頭痛を訴え救急搬送された.頭部CTにてFisher grade 2のSAHを認めたが,脳動脈瘤は同定し得ず,unknown SAHとして保存的加療を行い,mRS 0にて自宅退院した.第2子出産目的での再入院の際,後方視的画像検討を行ったところ,右後大脳動脈末梢部に解離性動脈瘤を疑う所見を認め,厳重な血圧管理のもと帝王切開で児を娩出した.その後は経時的に瘤の形態的縮小を認め,自然治癒に至った.本病態の自然歴は不明であるが,神経所見の軽微な症例では保存的加療も有用と思われた.母体に生じるダイナミックな生体変化が周産期脳卒中の発症に関与することが推察され,その管理においては産婦人科医との連携が必須と思われた.

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© 2022 日本脳卒中学会
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