2023 年 45 巻 4 号 p. 310-316
【背景と目的】穿通枝梗塞,特にbranch atheromatous disease(BAD)は,治療にもかかわらずしばしば神経症状が増悪するが,有効な治療戦略は確立されていない.本邦の穿通枝梗塞の急性期治療方針を明らかにする.【方法】1次脳卒中センター500施設に臨床情報,穿通枝梗塞の画像を複数例提示し,各症例における治療方針を尋ねた.【結果】38%の施設から回答を得た.発症6時間,NIHSS 3点のBAD型梗塞では,初期治療として約70%は抗凝固薬+抗血小板薬2剤以上の多剤併用療法を選択し,症状増悪時に約50%で抗血栓薬を追加すると回答した.発症2時間のBAD型梗塞では,87%でrt-PA静注療法を行い,その後の早期症状増悪時には35%が24時間以内に抗血栓薬を再開すると回答した.【結論】本邦ではBAD型梗塞に対して,現行のガイドラインの推奨より強力な抗血栓療法が行われている可能性がある.