2024 年 46 巻 4 号 p. 305-308
症例は52歳男性.37歳時に頭痛発症の左椎骨動脈解離に対し,保存的加療を受けた.左椎骨動脈の紡錘状拡大は残存したが,画像的変化は認めず経過していた.51歳時に進行性胃癌に対し,切除術を施行した.術後はTegafur/Gimeracil/Oteracil配合剤による化学療法を行ったが,複数の肝転移が明らかとなり,Ramucirumab+nab-paclitaxel併用療法へ変更した.間もなく強い頭痛を自覚し,頭部MRIで対側の右椎骨動脈に新たな動脈解離が明らかとなった.解離以降の右椎骨動脈は閉塞しており,また出血や虚血巣を認めなかったため,保存的に加療した.RAMおよび,同様の抗VEGF作用を有する分子標的治療薬のbevacizumabには大動脈解離の報告が散見されるが,椎骨動脈解離を発症した報告はない.一側の椎骨動脈解離の既往がある症例の対側椎骨動脈解離発症に,RAMの関連が疑われた.