脳卒中
Online ISSN : 1883-1923
Print ISSN : 0912-0726
ISSN-L : 0912-0726
症例報告
橈骨神経麻痺類似の症状を呈した抗リン脂質抗体症候群によるprecentral knob脳梗塞の1例
井上 佑樹 , 山崎 圭, 大河原 真美, 木附 宏
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2025 年 47 巻 2 号 p. 107-111

詳細
抄録

症例は72歳男性.左下垂手を呈し来院した.橈骨神経麻痺を疑ったがsynkinetic wrist extensionという手を握ると同側の手首が伸展する現象が保たれており,頭部MRIで右precentral knob(PK)の急性期脳梗塞を認めて入院した.ループスアンチコアグラント陽性で抗リン脂質抗体症候群と診断し,アスピリンを開始した.症状は急速に改善して第9病日に退院した.PK梗塞は対側の手首と指の進展運動が障害されて橈骨神経麻痺類似の症状を呈するが,前腕伸筋と前腕屈筋の同調収縮は保たれることから診断の一助となるsynkinetic wrist extensionが可能である.また,PK梗塞は塞栓性の病因が多いとされるが,抗リン脂質抗体症候群による動脈血栓症も成因として考慮する必要がある.

著者関連情報
© 2025 日本脳卒中学会

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 改変禁止] 4.0 国際ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top