脳卒中
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子宮内膜症治療薬が原因と推測された横静脈洞血栓症の1 例
羽柴 哲夫本郷 卓山上 敬太郎岩城 克馬高崎 盛生宮原 永治山田 圭一藤本 康裕
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論文ID: 10295

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抄録
要旨:症例は47 歳女性で,発症約3 年前より子宮内膜症による月経困難症に対してノルエチステロン・エチニルエストラジオール配合製剤を近医婦人科にて処方されていた.発症に先行して頭痛が出現し,4 日目に意識障害を来し救急搬送となった.頭部CT 上,左後頭葉に径4 cm の皮質下出血を認め,血腫周囲は低吸収域を示した.左横静脈洞は高信号を呈し,脳血管撮影にて左横静脈洞閉塞症と診断した.発症翌日に血腫拡大がない事を確認の上,抗凝固療法を開始し,発症21 日目に独歩退院した.経口避妊薬は静脈洞血栓症の原因として知られているが,処方されていた子宮内膜症治療薬は低用量経口避妊薬と同一成分であり,患者に基礎疾患がない事から本剤の服用が原因と考えた.本剤は子宮内膜症治療薬として保険適用が認められた比較的新しい薬剤であり,今後も処方が増加すると思われる.処方医と患者双方に静脈血栓症の可能性につき啓蒙する事が重要と考えられる.
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© 2015 日本脳卒中学会
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