脳卒中
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脳卒中急性期患者の経管栄養におけるレモン果汁併用の効果と安全性の検討
山田 由李子本多 里美緒方 利安山本 澄子用松 美咲竹下 恵美青柳 邦彦坪井 義夫井上 亨
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論文ID: 10313

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抄録

要旨:脳卒中急性期で経鼻経管栄養(以下:経管栄養)が必要な症例に対し,レモン果汁を用いた経管栄養剤の急速投与を実施し,その有効性と安全性を検証した.脳卒中で入院し,経管栄養が必要で,かつできるだけ早期のリハビリを行うことが望ましい患者7 名に対し,経管栄養剤投与前後に,レモン果汁を経管栄養剤の5%の量を注入し,消化器症状(嘔吐・下痢)の有無,リハビリ単位を比較した.全例でレモン果汁使用前・後では排泄パターン(便回数・便性状)に変化はなく,悪心,嘔吐は見られなかった.従来1 回の経管栄養剤の投与には1 回1.5~2 時間程度(1 日に4.5~6 時間)を要したが,レモン果汁と経管栄養剤の急速投与は約20 分であり,経管栄養剤投与時間の短縮が実現できた.経管栄養を行っている患者にレモン果汁を用いることで,安全に早期離床が達成できる可能性があり,今後多数例での検討が必要である.

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© 2015 日本脳卒中学会
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