抄録
要旨:【目的】急性期脳梗塞の検出率の改善を目的にthin section 拡散強調画像(DWI)の有用性を評価する.【方法】急性期脳梗塞を疑った258 人に従来法(conventional DWI)に加えて,thin section DWIを撮像し比較検討する.【結果】①最終診断が急性期脳梗塞は124 例,②うちconventional DWI 陽性は112 例(90.3%),③ thin section DWI 陽性は120 例(96.7%)であり,thin section DWI の脳梗塞検出率が有意に高かった(p=0.0078).④病型分類ではthin section DWI のみ陽性群では非ラクナ梗塞と比較してラクナ梗塞が有意に多かった(p=0.0067).⑤部位別や時間別の比較では有意な差は認めなかった.【結論】thin section DWI は急性期脳梗塞の検出率に優れている.