抄録
【目的】我々は,破裂性内頸動脈血豆状瘤に対しEnterprise VRD を併用して瘤内塞栓術を行い,経過が良好な症例を経験したので報告する.【症例】70 歳,男性.くも膜下出血による意識障害のため,当院入院となった.WFNS Gr IV であった.頭部MRA,3D-CTA 上,左内頸動脈傍鞍部前壁に2~3 mm の血豆状瘤を認めた.入院翌日,瞳孔不同が生じたため,緊急で脳室drainage 後,Enterprise VRD 併用で瘤内塞栓術施行.術後血管撮影上,瘤の先端描出が消失し,body filling.2 カ月後,mRS 2 で退院.2 年6 カ月後の血管撮影にて,瘤は血栓化が徐々に進行し,neck remnant,再発は認めていない,左内頸動脈の描出は良好.2 年9 カ月間,再破裂はない.【結語】破裂性内頸動脈血豆状瘤に対して,stent 併用瘤内塞栓術も治療の選択肢になると考えられた.