論文ID: 10831
要旨:【背景】熱海伊東医療圏では,mechanical thrombectomy(MT)症例の転送率が66.7%であったため,2018年9月から,FACE2ADが3点以上の症例はMT可能な施設へ直接搬送とする stroke bypass 型機械的血栓回収体制(AISB)が導入された.【対象および方法】(1)2015年6月~2020年4月の期間に救急搬送後血栓回収を行った,AISB導入前後の49例を比較した.(2)2018年9月~2020年4月の期間にAISB搬送された54例を解析した.【結果】(1)転送率は66.7%から27.3%(P=0.03)へ有意に低下していた.(2)FACE2AD が3点以上の症例におけるLVO陽性的中率は55%であり,MT 施設への搬送増加は平均1.28件/月であった.【結論】AISBはMT症例の転送率を有意に低下させ,搬送増加は許容範囲内と考えられた.