脳卒中
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Flow diverter 留置後に生じた内頸動脈海綿静脈洞瘻に対して経静脈的動脈瘤コイル塞栓術を施行した1例
藤川 征也和田 始市原 寛大高野 千恵佐藤 広崇齊藤 仁十安栄 良悟
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論文ID: 10887

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抄録

動脈瘤治療にflow diverter(FD)が広く用いられるようになったが,遅発性動脈瘤破裂が稀に発生する.左内頸動脈瘤に対しFDを留置した69歳の女性が,治療3週間後に動脈瘤破裂による内頸動脈海綿静脈洞瘻を発症した.経静脈的治療を施行したが,マイクロカテーテルを瘤内へ誘導できず部分塞栓に終わった.この治療から1カ月後に動眼神経麻痺が出現したため,経静脈的治療を再度試みた.動脈血流をバルーンカテーテルで減弱させることで,3D rotation angiography(3DRA)から multiplanar reconstruction(MPR)画像を作成して動静脈瘻の詳細な構造を把握し,マイクロカテーテルを経静脈的に瘤内へ誘導し,治療を完遂できた.FD留置後の内頸動脈海綿静脈洞瘻は治療困難であるが,3DRAのMPR画像は経静脈的治療を行う上で有用な情報であることが示唆された.

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