脳卒中
Online ISSN : 1883-1923
Print ISSN : 0912-0726
ISSN-L : 0912-0726

この記事には本公開記事があります。本公開記事を参照してください。
引用する場合も本公開記事を引用してください。

Double origin of PICAにより虚血を免れた破裂解離性PICA動脈瘤の1例
松田 知大 佐藤 浩一宮本 健志榎本 紀哉花岡 真実仁木 均松崎 和仁
著者情報
ジャーナル オープンアクセス 早期公開

論文ID: 11145

この記事には本公開記事があります。
詳細
抄録

二重起始後下小脳動脈(double origin of PICA: DOPICA)は稀な解剖学的変異であり,動脈瘤を合併しやすい.今回我々は,破裂PICA動脈瘤をコイル塞栓し,経過中にPICAごと閉塞したが,DOPICAの他方の起始部からの側副血流により虚血を免れた症例を経験したので報告する.症例は35歳男性でめまい,嘔気,頭痛あり,頭部CTにてSAHを認めた.DSAで右PICAにside wall type動脈瘤を認め,コイル塞栓術を行った.動脈瘤のみ塞栓し,親動脈は温存でき,術後合併症や症状なく経過した.術後7日後のMRIでは新規脳梗塞はなかったが,MRAで動脈瘤ごとPICA起始部の閉塞を認めた.DSAでは異なる箇所から起始するPICAが側副循環として働き,PICA遠位部の灌流が補われていた.DOPICAのPICA動脈瘤では,コイル塞栓術後に他方のPICAが側副循環として役割をもつと考えられる.

著者関連情報
© 2023 日本脳卒中学会

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/deed.ja
feedback
Top