論文ID: 11205
潰瘍形成プラークに対する頚動脈ステント留置術後には,ステント外に造影剤が漏出するステント外残存潰瘍(residual ulceration: RU)を認めることが多い.RUは半年後に約半数が消失するが,術後脳塞栓症の原因となる可能性について報告されている.本研究では,潰瘍病変に対してCASPER stentを使用した場合のRU消失率および塞栓性合併症の発生率を検討した.2021年4月から2022年3月までの期間で,潰瘍形成を認めた11症例を対象とした.全例にCASPER stentを用い,術後3カ月時点のDSA所見を評価した.10例にRUを認め,3カ月後のRU消失率は78%であった.1年間の追跡で症候性脳梗塞の発生例はなかった.潰瘍病変に対するCASでは,CASPER stentの使用によりRUの高い消失率が得られた.