脳卒中
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舌骨の可動性によりtwisted carotid bifurcationが繰り返し形成された1例
山村 泰弘 水野 颯松井 秀介
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ジャーナル オープンアクセス 早期公開

論文ID: 11208

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抄録

Twisted carotid bifurcation(TCB)とは,頸部において内頸動脈が外頸動脈の内側を走行している状態である.成因として先天性素因や,動脈硬化などによる後天性素因が考察されているが,いまだ明らかにはなっていない.今回舌骨の可動性により,繰り返しTCBが形成された症例を経験したので報告する.69歳女性,中等度の左内頸動脈狭窄に対して経過観察をしている.右総頸動脈分岐部の角度が初診時には正常走行を示し,1年後には約90度捻転してTCBを形成していた.翌年の所見では正常に戻り,また1年後には再度TCBを形成していた.画像を見直し,正常時には頸動脈は舌骨の外側を走行し,TCBの状態では舌骨の内側にあることが確認された.舌骨の可動性を考えると,本症例ではそれがTCBの成因となっているものと考えられた.

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© 2023 日本脳卒中学会

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