論文ID: 11167
【背景および目的】高齢化により独居高齢者数も急速に増加,独居脳梗塞患者の増加も予想される.2011年1月~2012年12月を前期,2021年1月~2022年12月を後期とし,10年間隔で独居者が急性期脳梗塞患者全体に占める比率,救助要請形式がいかに変化したかを当院データで比較.また,後期では大血管閉塞に対する機械的血栓回収療法が,独居者でどの程度施行されていたか調べた.【結果】前期では独居者比率は6.7%,後期では11.5%で相対比1.72と有意に増加( p=0.01).自力救助要請率は低下,後期で自力救助要請できたのは1/3程度であった.第三者救助要請率は上昇していた.後期では,大血管閉塞症例中33%で機械的血栓回収療法が施行されていた.【結論】今回示された独居脳梗塞患者数の増加は,今後も続くことが予想されるが,それにいかに対応すべきかは社会全体で共有すべき課題である.