脳卒中
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頭部単純CT画像による脳血液量の可視化
内沢 隆充
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ジャーナル オープンアクセス 早期公開

論文ID: 11224

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抄録

頭部単純CT画像の脳実質部分のCT値は,血液hemoglobin(Hb)濃度と直線的に相関している.脳CT値は脳Hb量に比例し,脳Hb量は脳血液量cerebral blood volume(CBV)に脳血液Hb濃度を乗ずることで得られる.つまり,脳Hb量はCBVと血液Hb濃度に直線的に相関し,頭部単純CT画像に反映されている.血液Hb濃度は個人ごとに一定であるので,頭部単純CT画像のCT値はCBVに比例している.しかし,CBVの変化によるCT値の変化はごくわずかであり,雑音と視認限界のため変化を認識することはできない.そこで,CBVの変化を可視化する画像処理法を考案し,様々な病態のCT画像を観察した.超急性期心原性脳塞栓症では,CBVの低下範囲から虚血範囲を確認できる可能性がある.慢性脳虚血症例では,自動調節能によるCBVの変化から範囲と病期を推察可能と思われる.頭部単純CT画像の画像処理と臨床応用に関し,概説した.

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