論文ID: 11244
症例は55歳女性.35歳時からドライアイを認めていた.急性の拍動性頭痛を来し,頭部MRIでは右前頭葉に皮質下脳出血を認めた.頭部MRAでは多発する脳動脈狭窄を認めていた.経過で脳動脈狭窄の増悪を認め,右前頭葉病変より脳生検が施行されたが,明らかな血管炎を疑う所見は得られなかった.血液学的検査で抗SS-A抗体が陽性であり,蛍光色素検査よりシェーグレン症候群と診断した.シェーグレン症候群に伴う可逆性脳血管攣縮症候群を来したと考えた.経過で頭痛は消失し,脳血管狭窄は改善した.シェーグレン症候群における脳血管狭窄の報告は少なく,ここに報告する.