脳卒中
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脳動脈瘤再破裂例の検討
特に脳血管攣縮と手術時期について
藤田 勝三山下 晴央玉木 紀彦松本 悟
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1988 年 10 巻 5 号 p. 423-430

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抄録
初回発作から2週間以内に再破裂をきたした脳動脈瘤症例46例について, 臨床上の重症度, CT, 脳血管写所見について検討し, さらに, 手術時期, 脳血管攣縮の頻度及び予後との相関について検討を加え以下の結論を得た.
(1) 脳動脈瘤再破裂例は, 脳内又は脳室内出血を合併する重症くも膜下出血を示し, symptomatic vasospasm及び水頭症を合併する頻度が高く予後不良例が多い.
(2) 再破裂迄の期間では, 24時間以内と8日から2週間以内に再破裂例が多く, 再破裂時には, 臨床上の重症度はgradeIII及びIVの症例が多い.
(3) 初回発作後24時間以内に再破裂をきたした症例では急性期手術群にも比較的予後良好例が多いが, 初回発作後4日から14日以内に再破裂をきたした症例では, たとえ軽症くも膜下出血例でも脳血管攣縮の頻度が高いので, 晩期手術を行うべきである.
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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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