脳卒中
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前大脳動脈領域の脳梗塞例の病態に関する検討
限局性梗塞例と他領域を含む梗塞例の臨床像と脳血管造影所見
数井 誠司澤田 徹成冨 博章栗山 良紘山口 武典
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1988 年 10 巻 5 号 p. 436-440

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抄録
急性期脳梗塞症例1,586例のうち, 病巣がCT上, 前大脳動脈 (ACA) 領域に認められた症例の臨床的検討を行なった.ACA領域を含む脳梗塞例は74例で脳梗塞全体の4.7%と少なく, その89%が非限局例で, 限局例は少なかった.限局群では脳血栓症が非限局群では脳塞栓症が多かった.脳血管写上, 限局群では頭蓋内動脈硬化像を基礎としたA2-A3部の閉塞性所見が多く, 非限局群では内頚動脈 (ICA) あるいはACAと中大脳動脈 (MCA) の両動脈の閉塞性所見が多く認められた.これは前者では脳血栓症が, 後者では脳塞栓症が多いことを反映しているものと考えられた.ACA領域を含む脳塞栓症例では病巣と反対側A1部低形成や反対側ICA閉塞が有意に多く認められ, これらがACA領域の脳塞栓症の発現基盤として重要な位置をしめることが示唆された.限局群の予後は極めて良好であったが, 非限局群では脳死例も相当数あり不良であった.
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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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