1978年1月より1989年4月までに経験した, くも膜下出血に合併しない42例, 49個の未破裂脳動脈瘤 (Acom;8個, MCA;16個, IC;16個, ACA;5個, VA-BA;4個) に外科的治療を行なった.この内の大半の症例は脳血管CT・MR angiography等の低侵襲な検査法で発見した.これらの治療成績と, 未破裂瘤の部位, 大きさ, 発見の動機などとの関連性につき検討した.その結果1例 (2%) にmortalityが, 2例 (5%) にmorbidityがみられた.部位別にみると内頚動脈瘤に1例のmortalityが, 内頚動脈瘤及び中大脳動脈瘤に各々1例のmorbidityがみられた.大きさでは10mm未満の未破裂瘤にmortality, morbidityはなかった.脳血管CT・MR angiographyなどで発見された症例は, 大きな動脈瘤が多く, 2例 (7%) のmorbidityが認められた.これらの手術成績は, 未破裂脳動脈瘤のnatural historyに明かに勝り, 症例を慎重に検討し, 未破裂瘤に対しては積極的に手術適応を考えるべきであると思われる.