脳卒中
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高血糖負荷したmongolian gerbilを用いた脳虚血および再開通時のNADH fluorescenceと局所脳代謝
片山 泰朗
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1993 年 15 巻 4 号 p. 271-278

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抄録
グルコースを負荷したMongolian gerbilを使用して, 脳虚血および再開通後におけNADH fluorescenceを観察し, また皮質, 尾状核での局所エネルギー代謝を測定した.NAD fluorescenceは脳虚血により冠状断面において一様に増加し, 再開通によりす早く減少したが, 尾状核部では皮質に比べてその輝度が強く維持されていた.再開通60分において6匹中1匹にてNADHH fluorescenceは数ヵ所においてpatch状に高輝度を呈した.また, 他方では輝度が低下しdark areaを示す部位も観察された.脳代謝では脳虚血により一様に高エネルギー燐酸化合物の著しい低下およびlactateの増加をみた.再開通によりエネルギー代謝障害はほぼ回復したが, 尾状核においてlactateはコントロールに比して高値を維持した.また, patch状の高輝度やdark areaを呈した部位では代謝障害は強度であった.NADH fluorescenceはATP, PCrの減少およびlactateの蓄積に密接に関連し, なかでもlactateの蓄積に鋭敏のようであった.
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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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