脳卒中
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高齢者脳血栓症急性期に対するオザグレル, ヘパリン併用療法の検討
上田 雅之濱本 真長尾 毅彦宮崎 徳蔵赫 彰郎
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1996 年 18 巻 2 号 p. 118-123

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抄録

高齢者脳血栓症急性期におけるトロンボキサンA2合成酵素阻害剤と抗凝固剤の併用効果を検証するため, 発症72時間以内の穿通枝領域脳血栓症84例 (平均年齢76.1歳) において, オザグレル・ヘパリン併用 (OH群), オザグレル単独 (0群) およびグリセロール単独投与群 (G群) による治療開始後の神経学的所見の変化を比較検討した.治療開始3日後までの神経学的改善度はOH群において, G群 (p<0.01), O群 (p<0.05) に対し有意に高値であったが, 3日目以降7日後までの改善度には3群に差異は認められなかった.OH併用療法により高齢者脳血栓症急性期の短期機能予後が有意に改善し, 本療法の有用性が認められた.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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