脳卒中
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ラクナ梗塞患者における降圧薬投与による血圧日内変動の検討
Nilvadipine投与による検討
山本 康正秋口 一郎大岩 海陽林 正道里井 斉
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1997 年 19 巻 3 号 p. 193-202

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抄録

ラクナ梗塞慢性期の患者35例に24時間血圧測定を行い, 収縮期血圧の夜間降圧度により, dipper (7%以上) (D群), non-dipper (0~7%) (N群), reversed (0%以下) (R群) の3群に分類した.Nilvadipineを投与し, それぞれの群で降圧パターンを検討した.D群では, 日中血圧は有意に (p<0.05) 低下したが夜間血圧は有意の低下はみられなかった.一方, N群では逆に, 日中血圧は有意の低下がみられず夜間血圧は有意に (p<0.01) 低下した.R群でも, N群と同様の傾向にあった.N群, R群の内11例について, 123I-SPECT持続動脈血採血法により, Nilvadipine投与前後で脳血流量測定を行ったところ, 有意の (p<0.05) 増加がみられた.Nilvadipine投与により, 夜間血圧非下降型が夜間血圧下降型へと変化した機序として, Nilvadipineによる脳血流量改善作用等により中枢性の自律神経系機能障害が改善された可能性が推察された.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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