脳卒中
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19 巻 , 3 号
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  • Gregory J. Del Zoppo
    1997 年 19 巻 3 号 p. 169-179
    発行日: 1997/06/25
    公開日: 2009/09/16
    ジャーナル フリー
    The development of arterial recanalization strategies using plasminogen activators for treatment of atherothrombotic and thromboembolic cerebral ischemia has exposed events which contribute to the limitation and extension of tissue injury. These include the presence of early ishemic injury, individualization of the potential window for treatment, edema formation, and the mechanisms underlying the hemorrhagic transformation. The appearance of early ischemic injury and the potential window for treatment seem tied to the patency of collateral channels and peculiarities of the microvascular bed of the individual patient. Hemorrhagic transformation, a common accompaniment of focal cerebral ischemia, is related to the time from symptom onset to exposure with the plasminogen activator, persistence of diastolic hypertension, a relative plasminogen activator dose-rate, extensive ischemic injury on CT, anticoagulation, and advanced age. Limited evidence suggests that a threshold of regional cerebral blood flow reduction is significantly associated with symptomatic intracerebral hemorrhage. These contributors suggest a common vascular target. The microvasculature is both a source of cerebral integrity and the target of ischemic injury. Activation of microvascular endothelial cells by ischemia leads to the expression of P-selectin, ICAM-1, and E-selectin which promote PMN leukocyte firm adhesion and transmigration. Obstruction of microvascular flow is a consequence. Activation of platelets, in relationship to PMN leukocytes, and intravascular fibrin formation contribute further to the loss of microvascular patency. Within the myointima of selected microvessels the integrin αvβ3, appears. Constituents of the basal lamina and extracellular matrix, whose loss contributes to hemorrhagic transformation, are affected significantly within the initial 24 hours following ischemic injury. Recently, significant aletrations in cell-matrix interactions between the endothelium and astrocyte end-feet, and their respective matrix partners, have been shown to occur most significantly in the region of severest neuron injury. Interventions which reduce the frequency and severity of these microvascular processes should enhance benefit in acute stroke patients.
  • 石原 哲也, 平田 幸一, 辰元 宗人, 山崎 薫, 佐藤 俊彦
    1997 年 19 巻 3 号 p. 180-186
    発行日: 1997/06/25
    公開日: 2009/09/16
    ジャーナル フリー
    一過性全健忘 (TGA) の発症機序については, 未だに統一した見解は得られていない.われわれは, 従来の臨床的およびMRI, SPECTによる画像診断的検討に加え, proton MRspectroscopy (1H-MRS) を用い, その成因に関する検討をおこなった.TGAの急性期におけるSPECTでは, 側頭葉内側および基底核を中心とした脳血流の低下が示唆された.一方, 側頭葉内側および基底核部における急性期の1H-MRSでは, 虚血性変化の急性期にみられるようなコリン, クレアチンの低下や乳酸の増加は認めず, 脳細胞の代謝異常または脳機能の低下を示すとされるN-アセチルアスパラギン酸 (NAA) の相対的な低下のみがみられた.この結果から, TGAの発症には必ずしも一過性脳虚血発作と同様なatherothrombo-embolicな機序による脳血流低下のみが関与するものではないことが示唆された.
  • 川畑 信也, 田中 友二
    1997 年 19 巻 3 号 p. 187-192
    発行日: 1997/06/25
    公開日: 2009/09/16
    ジャーナル フリー
    健常者338名 (平均53.7歳, 男性243名, 女性95名) を対照に無症候性脳梗塞85名 (61.5歳, 男性52名, 女性33名) と症候性脳梗塞81名 (65.4歳, 男性58名, 女性23名) における飲酒の影響を検討した. (1) 3群間の男性で習慣性飲酒群の割合は健常者58.8%, 無症候性脳梗塞53.9%, 症候性脳梗塞55.2%でほぼ同数であった. (2) 平均1日エタノール摂取量は, 健常者42.6g, 無症候性脳梗塞39.0gと同量であったが症候性脳梗塞で63.9gに及び, 前2者に比べて有意に摂取量が多い. (3) エタノール換算で1日100g以上の習慣性飲酒者は, 症候性脳梗塞で21.9%を占める. (4) 脳ドック受診者の非飲酒群と習慣性飲酒群の間で無症候性脳梗塞の頻度に有意な違いはなかった. (5) エタノール摂取量別にみた脳ドックでの無症候性脳梗塞の頻度はJ型の分布を示していた.習慣性飲酒群の割合は3群間で同数であったが, 健常者や無症候性脳梗塞と異なって症候性脳梗塞では過剰な飲酒量が背景にみられる.
  • 山本 康正, 秋口 一郎, 大岩 海陽, 林 正道, 里井 斉
    1997 年 19 巻 3 号 p. 193-202
    発行日: 1997/06/25
    公開日: 2009/09/16
    ジャーナル フリー
    ラクナ梗塞慢性期の患者35例に24時間血圧測定を行い, 収縮期血圧の夜間降圧度により, dipper (7%以上) (D群), non-dipper (0~7%) (N群), reversed (0%以下) (R群) の3群に分類した.Nilvadipineを投与し, それぞれの群で降圧パターンを検討した.D群では, 日中血圧は有意に (p<0.05) 低下したが夜間血圧は有意の低下はみられなかった.一方, N群では逆に, 日中血圧は有意の低下がみられず夜間血圧は有意に (p<0.01) 低下した.R群でも, N群と同様の傾向にあった.N群, R群の内11例について, 123I-SPECT持続動脈血採血法により, Nilvadipine投与前後で脳血流量測定を行ったところ, 有意の (p<0.05) 増加がみられた.Nilvadipine投与により, 夜間血圧非下降型が夜間血圧下降型へと変化した機序として, Nilvadipineによる脳血流量改善作用等により中枢性の自律神経系機能障害が改善された可能性が推察された.
  • 米波 浩二, 杉原 浩, 鴨川 旭, 市野 武司, 成田 信義
    1997 年 19 巻 3 号 p. 203-211
    発行日: 1997/06/25
    公開日: 2009/09/16
    ジャーナル フリー
    脳梗塞急性期の外因系凝固を検討する目的で, 急性期第1病日と第7病日のラクナ梗塞群, アテローム血栓性脳梗塞群, 心原性塞栓症群の組織因子 (tissue factor;TF) とその阻害因子 (tissue factor pathway inhibitor;TFPI) の血中の変動をELISA法で測定し, 年齢を対応させた健常者の対照群と比較検討した.また, 血管内皮細胞障害の指標の一つであるトロンボモジュリン (TM) および凝固亢進状態を反映するトロンビン・アンチトロンビンIII複合体 (TAT) やプロトロンビン時間 (PT) の変動から臨床的意義を検討した.
    ラクナ梗塞群とアテローム血栓性脳梗塞群のTFは対照群に比し, 第1病日と第7病日ともに有意な低値を示したが, TFPIは差を認めなかった.一方, 心原性脳塞栓症群のTFPIは対照群に比し高値を示した.
    各群の血中TMは健常範囲内であったが, アテローム血栓性脳梗塞群のTFと相関が見られ, 血管内皮細胞障害による可能性が示唆された.TATとTFまたはTFPIの相関関係は認められなかったが, ラクナ梗塞群のPTとTFとの間に相関が認められた.このことはTFやTFPIがトロンビン生成以前の外因系凝固作動初期の状態を示している可能性があり, 両者の測定は急性期脳梗塞の各種病型の鑑別や凝固状態把握のために有用であると考えられた.
  • 今井 昇, 野平 修, 岡部 多加志, 濱口 勝彦
    1997 年 19 巻 3 号 p. 212-216
    発行日: 1997/06/25
    公開日: 2010/01/25
    ジャーナル フリー
    CTにて多発性脳梗塞と診断された24例の髄液superoxide dismutase (SOD) 活性と脳萎縮・PVLおよびMMST検査結果との関係について検討を行った.髄液SOD活性は亜硝酸法 (大柳変法) でtotal SOD, Mn SOD, Cu-Zn SODを測定し, 脳萎縮の程度はCTscanによる二次元法でbrain-atrophy index (BAI), ventricular area index (VAI), PVL area index (PAI) を求め評価した.その結果, total SODはVAIと負の相関 (p<0.01) を, Mn SODはBAIと正の相関 (p<0.01) を, Cu-Zn SODはVAIと負の相関 (p<0.02) を示した.PAI, MMSTと各SOD活性では, 有意な相関は認められなかった.以上より多発性脳梗塞患者においては脳萎縮が強いほど髄液SOD活性は低下することが示された.
  • 脳血行再建術の効果に関する共同研究グループ
    1997 年 19 巻 3 号 p. 217-224
    発行日: 1997/06/25
    公開日: 2009/09/16
    ジャーナル フリー
    脳血流低下を有する閉塞性脳血管障害患者における脳血行再建術 (EC/ICバイパス術) の虚血性脳卒中予防効果を検討するため, 多施設共同によるprospective randomized studyを行った.内頸動脈系の閉塞性脳血管病変による一過性脳虚血発作か脳梗塞を3カ月以内に認め, 日常生活活動動作が自立しており, 画像上内頸動脈または中大脳動脈本幹の閉塞か50%以上の狭窄を有し, 病変に一致した脳血流低下を認める症例を対象とした.症例選択基準に合致するとして登録された症例は, 無作為に外科治療群 (血行再建術+抗血小板剤) と内科治療群 (抗血小板剤の投与のみ) とに振り分けられた.5年7ヵ月の期間内に122症例が登録され, 最低1年以上の経過観察を行った.基準不適合例10例を含む37例が除外され, 85例 (外科群50例, 内科群35例) を検討した結果, 追跡期間中の虚血性完成型脳卒中は外科群, 内科群においてそれぞれ6例に認められ, 一過性脳虚血発作は外科群のみ5例に認められた.外科群における脳血流の改善は, 内科群と比較して統計学的有意差を認めたが, これら虚血性脳卒中の発生頻度においては両群問に有意な差は認められず, EC/ICバイパス術の虚血性脳卒中予防効果は確認されなかった.
  • 小東 竜二, 西村 裕之, 立花 久大, 巌本 靖道, 杉田 實
    1997 年 19 巻 3 号 p. 225-230
    発行日: 1997/06/25
    公開日: 2009/09/16
    ジャーナル フリー
    症候性および無症候性ラクナ梗塞例の血漿プロトロンビン・フラグメント1+2 (F1+2) 値を測定し, ラクナ梗塞に凝固亢進状態があるか否か, また症候の有無により凝固能に相違があるか否かを検討した.対象は有症候のラクナ梗塞61例 (急性期26例, 慢性期35例), 無症候性ラクナ梗塞34例および非梗塞67例である。ラクナ梗塞急性期群の収縮期血圧は対照群より有意に高値であった (p<0.05).背景因子として高血圧症の合併はラクナ梗塞急性期群および無症候性において対照群より有意に高頻度であった (それぞれp<0.01, p<0.05).血漿F1+2値はいずれの梗塞群も非梗塞群より有意に高値であった (急性期 : p<0.05, 慢性期 : p<0.01, 無症候性 : p<0.01).以上より, ラクナ梗塞患者では凝固亢進状態にあり, そのことが脳梗塞発生に関連している可能性が示唆された.また凝血学的には, 無症候性ラクナ梗塞は症候性ラクナ梗塞と同様の病態にあることが示唆された.
  • 岡部 慎一, 野々垣 洋一, 河野 拓司
    1997 年 19 巻 3 号 p. 231-235
    発行日: 1997/06/25
    公開日: 2009/09/16
    ジャーナル フリー
    症例は44歳男性で, 構音障害, 左上下肢の脱力発作, 知覚障害を主とする頻回の一過性脳虚血発作 (TIA) で入院となった.CT, MRIで異常なく, 脳血管撮影で右内頸動脈起始部に後方から外頸動脈側へ伸びる隔壁状の狭窄を認め, 更に, 右中大脳動脈水平部にも狭窄像が見られた.XeCTで右大脳半球の血流低下を認めたため, 内頸動脈狭窄がTIAの原因と考え, 内頸動脈隔壁内膜切除術を施行した.以後, TIAは抑制された.切除標本では, 膠原線維性, 筋性の線維増生を認めFMDと診断された.このタイプのFMDは稀であり, 典型的なものに比し, いくつかの点で異なっているが, 特に脳梗塞を起こしやすいと報告されており, 重要な疾患である.
  • 小松本 悟, 大庫 秀樹, 五十棲 一男, 横塚 仁, 奈良 昌治
    1997 年 19 巻 3 号 p. 236-240
    発行日: 1997/06/25
    公開日: 2009/09/16
    ジャーナル フリー
    症例は73歳男性で, テレビを見ていたとき突然テレビの画面の色が白黒になった.その後も色彩が判断できず, 視野に映るものは白黒の濃淡で識別していた.相貌失認, 地誌的失見当, 着衣失行等は認めず, 視力は保たれていたが, 軽度の右同名半盲を認めた。色覚検査では以下の如くであった.物体の識別, 認知はすべて白と黒の濃淡でなされるため明度の配列は正確であった.色の命名は黒と白は可能で, 赤は茶色, 黄色は白ということが多く, 他の色は白と黒の濃淡でのみ表現した.頭部MRIでは, 両側後頭葉底面に脳回に沿った出血性梗塞を認め大脳性色覚障害の病巣を考える上で示唆に富む症例と思われた.
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