脳卒中
Online ISSN : 1883-1923
Print ISSN : 0912-0726
ISSN-L : 0912-0726
Binswanger脳症におけるnon-dipper型血圧日内変動の臨床的意義
渡辺 正樹西村 麗新美 由紀真野 和夫渡邊 英夫
著者情報
ジャーナル フリー

1998 年 20 巻 2 号 p. 244-248

詳細
抄録

Binswanger脳症33例において夜間降圧障害の意義を臨床的に検討した.24時間血圧測定(30分毎)において,non-dipper(夜間平均血圧≧昼間平均血圧)は16例(48.5%)にみられ,ラクナ型脳梗塞(18.4%)より高頻度であった.本疾患の中でもnon-dipper例はdipper例より野菜名想起,かなひろいテスト,歩行能力の障害が強かった.non-dipper例は脳MRI上の脳室周囲高信号域,大脳皮質や脳幹の小高信号の程度が強かったが,MR angiography上の脳内大血管病変や頸動脈エコー上のプラークの程度はdipper例と差がなかった.本疾患におけるnon-dipperは病態の進行を意味し,大脳白質をはじめとする脳内小血管病変がその出現に関与すると考えられた.

著者関連情報
© 一般社団法人 日本脳卒中学会
前の記事 次の記事
feedback
Top