脳卒中
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MR Angiographyによる脳底動脈狭窄または閉塞の臨床的検討
稲福 徹也高木 誠星野 晴彦足立 智英瀬川 浩
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1998 年 20 巻 5 号 p. 462-468

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抄録
3次元Time of Flight MRアンギオグラフィーを用いて脳底動脈の閉塞(A群:7例),血管径50%以上の狭窄(壁不整があるB群:50例,壁不整がないC群:15例)の連続72例について臨床的検討を行った.男性46例,女性26例,平均年齢は69.9±9.6歳でA群(59.1歳)は他に比べ有意に若年であった.脳血管発作(TIAまたは急性期脳梗塞)はA群66.7%,B群48.8%,C群18.2%にみられ(p<0.1),TIAはA群で有意に多かった(p<0.05).症状は複視がA群で有意に多かった(p<0.0005).MRI上は橋中部背側の梗塞がA群に多くみられた(p<0.05).MRA上後交通動脈の両側胎児型はA群42.9%,B群8.2%,C群93.3%であった(p<0.0001).以上よりA群とB群はアテローム硬化性で,C群は生来の脳底動脈低形成と考えられ,その臨床像にも違いがみられた.
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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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